「詰る」の意味

「詰る」の読み方は「つまる/つめる/なじる」と読み、読み方によって意味も異なります。

つまると読む場合

つまる(自動詞)」と読む場合は

  1. 隙間なく入っていっぱいになる
  2. 通路・管などの途中がふさがって通じなくなる
  3. 長さや幅、感覚などが短くなる
  4. うまい対応ができなくて苦しむ
  5. 最後のところまでいく
  6. 促音で発音する
  7. 野球で、ピッチャーが投げた球がバットの芯から外れ、手元近くに当たること

を意味します。

「詰る」と書くと「つまる/つめる/なじる」なのか分かりにくいので、「詰まる」と書かれることが多いです。

つめると読む場合

つめる」と読む場合は

  1. 容器などに物を隙間なくいっぱいに入れる(他動詞)
  2. 穴や隙間などに物を隙間なく入れる(他動詞)
  3. 長さや幅、間隔などを短くする(他動詞)
  4. 精神を集中させて、一つの物事を続ける(他動詞)
  5. 呼吸を止める(他動詞)
  6. 節約する(他動詞)
  7. 十分検討して、結論が出せるところまで持ってゆく(他動詞)
  8. 将棋で王手をかけ、王将を逃げられないようにする(他動詞)
  9. 促音で発音する(他動詞)
  10. 仕事をする場所へ行き、そこで席が空かないよう控える(自動詞)
  11. ~して行き詰らせる、窮地に追い込む(自動詞)
  12. ~し続ける(自動詞)
  13. 極限まで~する(自動詞)
  14. 隙間なく~する(自動詞)

を意味します。

「詰る」と書くと「つまる/つめる/なじる」なのか分かりにくいので、「詰める」と書かれることが多いです。

なじると読む場合

なじる(他動詞)」と読む場合は、相手の過失・不満点などを問い詰めて責めることを意味します。

慣用句

息が詰まる
呼吸が十分にできないこと・緊張しすぎて息苦しいこと
気が詰まる
気分的に窮屈に感じられる
こじりが詰まる
(鐺が詰まると刀の抜き差しができなくなることから)借金の返済ができず動けなくなること
すんが詰まる
丈が短い・普通より物の長さが短い
世間が詰まる
世の中が不景気になる
理に詰まる
道理で責められ何も言えなくなる・話が理屈っぽくてつまらなくなる
詰まるところ
色々考えて辿り着いたことを述べるときに用いる
息を詰める
呼吸を抑えてじっとしている
根を詰める
一つの物事を集中して続ける
石で手を詰める
動きが取れない、進退窮まる
指を詰める
引責や詫びのために、手の指を切断する

使い方・例文

つま
隙間なく入っていっぱいになる

  • かばんに道具がいっぱい詰まっている
  • 身が詰まったカニ
  • 個人情報が詰まった書類
  • 笑いの詰まった作品
  • 今月は予定が詰まっている

通路・管などの途中がふさがって通じなくなる

  • ごみで下水管が詰まる
  • 餅が喉に詰まる
  • 胸が詰まるような悲話
  • 息が詰まりそうな暑さ

長さや幅、間隔などが短くなる

  • 寸が詰まったズボン
  • 目の詰まった編み物
  • 面倒くさいが詰まって「めんどい」という
  • 先頭との距離が詰まる
  • 冬になって日が詰まる

うまい対応ができなくて苦しむ

  • 言葉に詰まる
  • 返答に詰まる
  • 生活に行き詰まる
  • 執筆に行き詰まる

最後のところまでいく

  • こうなった原因は、詰まるところ知識不足にある
  • 詰まるところ、こう対策すれば解決する

促音で発音する

  • 「っ」は詰まる音で話す
  • 「ラッパ」は詰まらせて読む

野球で、ピッチャーが投げた球がバットの芯から外れ、手元近くに当たること

  • 速球に詰まる
  • 詰まった当たり

つめ
容器などに物を隙間なくいっぱいに入れる(他動詞)

  • 瓶にジャムを詰める
  • 鞄に荷物を詰める
  • 道具を箱に詰める

穴や隙間などに物を隙間なく入れる(他動詞)

  • 土で穴を詰める
  • 隙間をセメントで詰める
  • 虫歯を詰めてもらう

長さや幅、間隔などを短くする(他動詞)

  • 前の人と距離を詰めて歩く
  • 洋服の丈を詰める
  • 席を詰めて座る
  • 締め切りの日程を詰める

精神を集中させて、一つの物事を続ける(他動詞)

  • 根を詰めて作業する

呼吸を止める(他動詞)

  • 息を詰めて結果を待つ
  • 息を詰めて様子を見守る
  • 息を詰めて物陰に隠れる

節約する(他動詞)

  • 生活費を詰める
  • 経費を詰める

十分検討して、結論が出せるところまで持ってゆく(他動詞)

  • 議論を詰める
  • 詳細を詰める

将棋で王手をかけ、王将を逃げられないようにする(他動詞)

  • 王将を詰める
  • あと一手で詰められる
  • 大差がつく前に相手を詰める

仕事をする場所へ行き、そこで席が空かないよう控える(自動詞)

  • 職場に詰める
  • 昼夜交代で詰める
  • 城に詰める

~して行き詰らせる、窮地に追い込む(自動詞)

  • 犯人を追い詰める
  • 失敗を問い詰める

~し続ける(自動詞)

  • 同じ店に通い詰める
  • 相手を見詰める

極限まで~する(自動詞)

  • 思い詰めて病気になる
  • 山頂まで登り詰める
  • 空気が張り詰める

隙間なく~する(自動詞)

  • 地面に葉っぱを敷き詰める

なじ

  • きつい言葉で詰る
  • 失敗を詰る
  • 卑怯な態度を詰る
  • 詰るような目つき

類語

隙間なく入っていっぱいになる
充満・充溢・充塞・飽和・満員・満水・籠る・盛る・漲る・溢れる・満ちる・塞がる・埋まる・湛える・鮨詰め・押し詰める・立ち込める
通路・管などの途中がふさがって通じなくなる
停滞・不通・麻痺・淀む・つかえる・塞がる・行き詰まる・行き止まり・行き悩む・立ち往生・突き当たる
うまい対応ができなくて苦しむ
困窮・困却・困苦・困惑・当惑・閉口・辟易・往生・難儀・難渋・苦難・貧窮・貧苦・貧困・赤貧・窮乏・悩む・弱る・参る・生活苦・不自由・窮する・極まる・煩わす・切羽詰まる・行き詰まる・手詰まり・行き当たる・手こずる・手を焼く・持て余す・弱り果てる・思い煩う・行き悩む・思い悩む
容器などに物を隙間なくいっぱいに入れる/穴や隙間などに物を隙間なく入れる
充填・填充・装填・装弾・挿入・塞ぐ・埋める・箱詰め・鮨詰め・缶詰め・瓶詰め・重詰め・元詰め・詰め込む・詰め合わせ・押し詰める
長さや幅、間隔などを短くする
短縮・接近・近接・肉薄・寄る・迫る・つづめる・近付ける・近寄せる・詰め寄る・駆け寄る・歩み寄る・にじり寄る・擦り寄る・立ち寄る・攻め寄る・忍び寄る・寄り付く・寄せ付ける・引き付ける・押し寄せる・抱き寄せる・引き寄せる・掻き寄せる・(手)繰り寄せる・吸い寄せる・吹き寄せる・漕ぎ寄せる・打ち寄せる・切り詰める
精神を集中させて、一つの物事を続ける
打っ続け・打っ通し
相手の過失・不満点などを問い詰めて責めること
追及・面詰・難詰・非難・問う・咎める・難じる