「詰る」の意味
「詰る」の読み方は「つまる/つめる/なじる」と読み、読み方によって意味も異なります。
つまると読む場合
「詰る(自動詞)」と読む場合は
- 隙間なく入っていっぱいになる
- 通路・管などの途中がふさがって通じなくなる
- 長さや幅、感覚などが短くなる
- うまい対応ができなくて苦しむ
- 最後のところまでいく
- 促音で発音する
- 野球で、ピッチャーが投げた球がバットの芯から外れ、手元近くに当たること
を意味します。
「詰る」と書くと「つまる/つめる/なじる」なのか分かりにくいので、「詰まる」と書かれることが多いです。
つめると読む場合
「詰る」と読む場合は
- 容器などに物を隙間なくいっぱいに入れる(他動詞)
- 穴や隙間などに物を隙間なく入れる(他動詞)
- 長さや幅、間隔などを短くする(他動詞)
- 精神を集中させて、一つの物事を続ける(他動詞)
- 呼吸を止める(他動詞)
- 節約する(他動詞)
- 十分検討して、結論が出せるところまで持ってゆく(他動詞)
- 将棋で王手をかけ、王将を逃げられないようにする(他動詞)
- 促音で発音する(他動詞)
- 仕事をする場所へ行き、そこで席が空かないよう控える(自動詞)
- ~して行き詰らせる、窮地に追い込む(自動詞)
- ~し続ける(自動詞)
- 極限まで~する(自動詞)
- 隙間なく~する(自動詞)
を意味します。
「詰る」と書くと「つまる/つめる/なじる」なのか分かりにくいので、「詰める」と書かれることが多いです。
なじると読む場合
「詰る(他動詞)」と読む場合は、相手の過失・不満点などを問い詰めて責めることを意味します。
慣用句
息が詰まる |
---|
呼吸が十分にできないこと・緊張しすぎて息苦しいこと | 気が詰まる |
気分的に窮屈に感じられる |
鐺が詰まる |
(鐺が詰まると刀の抜き差しができなくなることから)借金の返済ができず動けなくなること |
寸が詰まる |
丈が短い・普通より物の長さが短い |
世間が詰まる |
世の中が不景気になる |
理に詰まる |
道理で責められ何も言えなくなる・話が理屈っぽくてつまらなくなる |
詰まるところ |
色々考えて辿り着いたことを述べるときに用いる |
息を詰める |
---|
呼吸を抑えてじっとしている | 根を詰める |
一つの物事を集中して続ける |
石で手を詰める |
動きが取れない、進退窮まる |
指を詰める |
引責や詫びのために、手の指を切断する |
使い方・例文
詰る
隙間なく入っていっぱいになる
- かばんに道具がいっぱい詰まっている
- 身が詰まったカニ
- 個人情報が詰まった書類
- 笑いの詰まった作品
- 今月は予定が詰まっている
通路・管などの途中がふさがって通じなくなる
- ごみで下水管が詰まる
- 餅が喉に詰まる
- 胸が詰まるような悲話
- 息が詰まりそうな暑さ
長さや幅、間隔などが短くなる
- 寸が詰まったズボン
- 目の詰まった編み物
- 面倒くさいが詰まって「めんどい」という
- 先頭との距離が詰まる
- 冬になって日が詰まる
うまい対応ができなくて苦しむ
- 言葉に詰まる
- 返答に詰まる
- 生活に行き詰まる
- 執筆に行き詰まる
最後のところまでいく
- こうなった原因は、詰まるところ知識不足にある
- 詰まるところ、こう対策すれば解決する
促音で発音する
- 「っ」は詰まる音で話す
- 「ラッパ」は詰まらせて読む
野球で、ピッチャーが投げた球がバットの芯から外れ、手元近くに当たること
- 速球に詰まる
- 詰まった当たり
詰る
容器などに物を隙間なくいっぱいに入れる(他動詞)
- 瓶にジャムを詰める
- 鞄に荷物を詰める
- 道具を箱に詰める
穴や隙間などに物を隙間なく入れる(他動詞)
- 土で穴を詰める
- 隙間をセメントで詰める
- 虫歯を詰めてもらう
長さや幅、間隔などを短くする(他動詞)
- 前の人と距離を詰めて歩く
- 洋服の丈を詰める
- 席を詰めて座る
- 締め切りの日程を詰める
精神を集中させて、一つの物事を続ける(他動詞)
- 根を詰めて作業する
呼吸を止める(他動詞)
- 息を詰めて結果を待つ
- 息を詰めて様子を見守る
- 息を詰めて物陰に隠れる
節約する(他動詞)
- 生活費を詰める
- 経費を詰める
十分検討して、結論が出せるところまで持ってゆく(他動詞)
- 議論を詰める
- 詳細を詰める
将棋で王手をかけ、王将を逃げられないようにする(他動詞)
- 王将を詰める
- あと一手で詰められる
- 大差がつく前に相手を詰める
仕事をする場所へ行き、そこで席が空かないよう控える(自動詞)
- 職場に詰める
- 昼夜交代で詰める
- 城に詰める
~して行き詰らせる、窮地に追い込む(自動詞)
- 犯人を追い詰める
- 失敗を問い詰める
~し続ける(自動詞)
- 同じ店に通い詰める
- 相手を見詰める
極限まで~する(自動詞)
- 思い詰めて病気になる
- 山頂まで登り詰める
- 空気が張り詰める
隙間なく~する(自動詞)
- 地面に葉っぱを敷き詰める
詰る
- きつい言葉で詰る
- 失敗を詰る
- 卑怯な態度を詰る
- 詰るような目つき
類語
隙間なく入っていっぱいになる |
---|
充満・充溢・充塞・飽和・満員・満水・籠る・盛る・漲る・溢れる・満ちる・塞がる・埋まる・湛える・鮨詰め・押し詰める・立ち込める |
通路・管などの途中がふさがって通じなくなる |
停滞・不通・麻痺・淀む・支える・塞がる・行き詰まる・行き止まり・行き悩む・立ち往生・突き当たる |
うまい対応ができなくて苦しむ |
困窮・困却・困苦・困惑・当惑・閉口・辟易・往生・難儀・難渋・苦難・貧窮・貧苦・貧困・赤貧・窮乏・悩む・弱る・参る・生活苦・不自由・窮する・極まる・煩わす・切羽詰まる・行き詰まる・手詰まり・行き当たる・手こずる・手を焼く・持て余す・弱り果てる・思い煩う・行き悩む・思い悩む | 容器などに物を隙間なくいっぱいに入れる/穴や隙間などに物を隙間なく入れる |
充填・填充・装填・装弾・挿入・塞ぐ・埋める・箱詰め・鮨詰め・缶詰め・瓶詰め・重詰め・元詰め・詰め込む・詰め合わせ・押し詰める | 長さや幅、間隔などを短くする |
短縮・接近・近接・肉薄・寄る・迫る・約める・近付ける・近寄せる・詰め寄る・駆け寄る・歩み寄る・にじり寄る・擦り寄る・立ち寄る・攻め寄る・忍び寄る・寄り付く・寄せ付ける・引き付ける・押し寄せる・抱き寄せる・引き寄せる・掻き寄せる・(手)繰り寄せる・吸い寄せる・吹き寄せる・漕ぎ寄せる・打ち寄せる・切り詰める |
精神を集中させて、一つの物事を続ける |
打っ続け・打っ通し |
相手の過失・不満点などを問い詰めて責めること |
追及・面詰・難詰・非難・問う・咎める・難じる |