「後生」の意味
「後生」の読み方は「ごしょう」または「こうせい」と読みますが、「ごしょう」と読む場合は、
- 人に折り入って哀願するときに用いる語
- 死後、再び生まれ変わること
- 来世の安楽、極楽往生
- 極楽往生を願い、この世で徳を積むこと
といった意味があります。
一般に使われるのは1の意味で、2~4は仏語です。
1の意味では「後生ですから…してください」というように使われますが、このときの「後生」は「あなたが来世で、阿弥陀仏に救われるように願いますから」という意味です。
「後生」の入る四字熟語
「後生」の入る四字熟語には「後生一生」「後生大事」があります。
「後生一生」は現世・来世を通じてただ1回だけのこと、一生に一度という意味があり、「後生一生のお願いです」というように、懇願するときに使われます。
「後生大事」は後生の安楽を一途に願うことという仏教の教えでしたが、やがて物事を大切にすることという意味で用いられるようになり、「宝物を後生大事にしまっておく」「先生の教えを後生大事に守る」のように使われるようになりました。
また、「古い雑誌を後生大事に捨てないでいる」のように、取るに足らないものを大事にすると馬鹿にする意味合いで使われることもあります。
「後生」の入る慣用句・ことわざ
「後生」の入る慣用句には、「後生は徳の余り」という言葉があります。
一生懸命徳を積めば、おのずから極楽往生の願いも叶うという意味ですが、後生を願うための信心も、暮らし向きに余裕があってこそできるという、「信心は徳の余り」と同じ意味で使われることもあります。
「後生」の使い方・例文
人に折り入って哀願するときに用いる語
- 後生ですから、もう危険なことは止めてください
- 後生ですから、私も連れて行ってください
- 後生ですから、どうか見捨てないでください
- 後生ですから、そんなに怒らないでください
「後生」の類語
人に折り入って哀願するときに用いる語 |
---|
哀訴・嘆願・懇願・切願・命乞い・泣き付く・泣き込む・拝み倒す・取り縋る |
死後、再び生まれ変わること |
転生・再生・再来・復活・輪廻 |
来世の安楽、極楽往生 |
後世・幽界・霊界・黄泉・天国・十万億土 |
極楽往生を願い、この世で徳を積むこと |
徳行・徳業・功徳・善行・篤行・直行・積善・好事・善根 |