「虚無」の意味
「虚無」という言葉には、
- 何もなく虚しいこと、空虚
- この世のすべてのものに価値・意味を求めないこと
- 事実と異なる夢、実現しない夢
- 虚空、大空、無限の宇宙
- 虚心であること
- 万物の根源が無であること
といった意味がありますが、現在は1、2、3の意味でよく使われる言葉です。
2のような思想を持つ人のことを「虚無的」「虚無主義(ニヒリズム)」とも言います。
5の「虚心」とは、心にわだかまりがない素直な心のことで、「虚無自在の心」とも言われます。
6は中国春秋時代の哲学家・老子が唱えた「虚無の学」の思想で、万物の根源には本来境目がなく、全ては無であり、無為自然であることこそ極致とする学問です。この教えは荘子に継承され、後に道家(老荘思想)となりました。
「虚無」が入る四字熟語
「虚無」が入る四字熟語には、「虚無恬淡」があります。
「荘子(刻意編)」出典の「虚無恬淡にしてすなわち天徳に合す」という一節から、無欲で心が安らかな様子を意味します。
「虚無」の使い方・例文
何もなく虚しいこと
- 虚無感に襲われ、何もする気が起きない
- 何もかも失い、虚無感に押し潰されそうになる
- 虚無に取りつかれたように、彼女は俯いていた
この世のすべてのものに価値・意味を求めないこと
- 虚無主義者は、社会秩序や権威をも否定する
- 虚無主義の文学を読む
- 虚無的、退廃的な人生観
事実と異なる夢、実現しない夢
- 彼の言うことは幻想的とも言えるが、虚無的とも言える
- 虚無的で、不思議な絵を描く画家
- この願いは叶わないだろうと、虚無感が胸をよぎる
「虚無」の類義語・対義語
類義語 |
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空虚・虚脱・脱力・孤独・寂寞・寂寥・虚しい・寂しい・虚無的・空白感・虚無主義・ニヒル・ニヒリズム |
対義語 |
情熱・熱情・熱意・熱心・熱中・熱誠・熱血・激情・意欲・欲望・鋭気・気勢 |