「草分け」の意味

「草分け」という言葉には、

  1. 荒れ地を開墾すること、開墾する人
  2. ある物事を始めて起こすこと、起こす人
  3. 草深い所を分けて行くこと
  4. 獣類の胸先

といった意味がありますが、現在は2の意味でよく使われます。

「草分け」は「荒れ地を開拓する」という1の意味が転じて、2の「新しいことを始める」という意味でも使われるようになりました。

江戸時代には荒れ地を開墾して新たに町村を開いた名主のことを草分名主くさわけなぬしと言い、開墾に携わった人々も草分百姓、草分町人として領主から優遇され、草分けの家は名主となったり、特権を持っていました。

2の意味では、現在は「~の草分け的存在」という言葉でよく使われます。

3は「草分け衣」というように、古語で使われる言葉です。「草分け衣」とは草深い場所を分けて行くときに着る着物のことです。

4も古語で使われますが、「草分け」でなく「草分くさわき」または「草脇」と言われ、「馬の草分くさわき」というように使われました。

「草分け」の使い方・例文

荒れ地を開墾すること、開墾する人

  • 彼はこの地の草分けなので、町内では顔が利く
  • この町の事情に詳しい草分けの一人

ある物事を始めて起こすこと、起こす人

  • 彼女はファッション界の草分け的存在だ
  • その物語は、近代文学の草分けでもあった
  • 3D映画の草分けといえる作品
  • 日本食ブームの草分けとなったレストラン

「草分け」の類語

開墾すること
草創・創始・創業・起業・事始め・旗揚げ
ある物事を始めて起こすこと、起こす人
元祖・始祖・開祖・鼻祖・先鋒・発起人・発頭人・開拓者・先駆者・パイオニア