「偲ぶ」の意味

「偲ぶ」という言葉には、

  1. 過去や離れている人を密かに思い慕う
  2. 心引かれて思いを馳せる
  3. 物の美しさに感心し、賞美する

といった意味がありますが、主に1、2の意味で使われ、3は古語で使われます。

2の意味は「人柄が偲ばれる」のように、見えないものに思いを馳せるときに使われ、「偲ばれる」という言い方でよく使われます。

「忍ぶ」と意味が混同されがちですが、古くは「しのふ」と言い、平安時代から「忍ぶ」と混同して「しのぶ」と言うようになりました。

「忍ぶ」の意味

「忍ぶ」という言葉には、

  1. 辛いことをじっと耐える
  2. 見つからないように隠れる
  3. 人に知られないように隠れて事を行う

といった意味があります。

使い方・例文

偲ぶ
過去や離れている人を密かに思い慕う

  • 古代を偲ぶ
  • 故郷を偲ぶ
  • 学生時代の友人を偲ぶ
  • 亡き人を偲ぶ

心引かれて思いを馳せる

  • 彼女の心情が偲ばれる
  • 工事の苦労が偲ばれる
  • 見事な技術で、腕の程が偲ばれる
  • 昭和を偲ばせる街並み

忍ぶ
辛いことをじっと耐える

  • 苦痛を忍ぶ
  • 恥を忍ぶ
  • 不便を忍ぶ
  • 空腹を忍ぶ

見つからないように隠れる

  • 足音を忍ばせる
  • 声を忍ばせる
  • 天井裏に忍ぶ
  • 懐に武器を忍ばせる

人に知られないように隠れて事を行う

  • お城に忍び込む
  • 人目を忍んで会う
  • 忍ぶ恋
  • 世を忍ぶ仮の姿

の類語

過去や離れている人を密かに思い慕う
慕う・慕情・思慕・追慕・懐旧・懐古・懐郷・望郷・思郷・渇仰・引かれる・懐かしむ・恋い慕う
心引かれて思いを馳せる
心像・心象・表象・想像・イメージ
辛いことをじっと耐える
我慢・辛抱・忍耐・堪忍・忍苦・隠忍・堅忍・耐乏・耐寒・凌ぐ・堪える・耐える・耐え忍ぶ・虫を殺す・涙を呑む・目を瞑る・歯を食い縛る
見つからないように隠れる
潜る・潜む・潜伏・韜晦とうかい・潜める・逃げ隠れ
人に知られないように隠れて事を行う
秘密・秘事・密事・私事・機密・枢密・軍機・天機・伏せる・忍ばせる・猫被り・人目を盗む・仮面を被る